大きいカネヒラを育てるには? その1
先ず始めに、何を基準に「大きい」とするかなのです。中村守純博士の古典的名著「原色淡水魚類図鑑」、これは約40年前に北隆館から出版され、写真と内容は古さを感じさせない素晴らしい図鑑ですが、この本にカネヒラの体長は5.5〜12cmで、稀に15cmとあります。そこで、5cmから10cm、そして更に15cmに大きくする事を想定してみましょう。

実際に、我孫子本舗は、何匹かのカネヒラの体長と体重を計った事があります。両者の関係は、アバウトで体重g=(体長cm) 2.37乗÷15.3 でした。大体次の感じです。5cmが3.0g 10cmが15.3g 15cmが40.1g

だからして、ここで分かるのは、5cmから10cmは簡単?だけど10cmから15cmは、結構太らせなければならん!!という事が分かります。ツマリ、5cmから10cmは、 15.3-3.0=13.3gの体重増加、だけど10cmから15cmは、40.1-15.3=24.8gと約2倍太らせなあいかんのです。

だから、1匹当たりの餌の量は、体長が大きくなるほどドンドコ増える。という当たり前の事に気がつきます。別の見方をすると、5cm2匹を10cmにするのと、10cm1匹を15cmにするのは体重増が一緒だから極端な話、餌の量も同じ位となります。(えらくアバウト)即ち、水槽や池のカネヒラは少ない方が絶対有利なのです。これは本当です。
次に餌の投入量とそのペースです。

我孫子本舗の経験では、10cm弱のカネヒラが、10分以内に食べる餌ペレットの量は0.3g位です。頻繁に1日5回餌を与えたとすると1.5g/匹・日のペースです。勿論、水温によって、食用旺盛な時は腹が膨れてパンパン迄食べますが、適切範囲とすると、1匹に1日1.5gの乾燥餌を5回に分けて与えると、各々10分以内に食べ切ってくれる事になります。

実際に自動餌投与機で、5回/日と頻繁に与えたとします。カネヒラの水分は人間と同じで65%、餌の水分は便宜上0%とします。更に、餌の体重増加有効係数を0.3、何だか難しくなってきました、つまり3割が体重増加で、残りは泳ぐエネルギーとかをエイヤット決めます。すると、カネヒラ君1匹当たりでも、5cmから10cmの場合 (15.3-3.0)x((100-65)/100)÷0.3=14.4gの餌、10cmから15cmの場合 (40.1-15.3)x((100-65)/100)÷0.3=28.9gの餌

写真の自動餌投与君は3年くらい使っている優秀なマシンです。満タンで45gの餌が入ります。仮に、120cm180リッターの水槽に10cm位のカネヒラを15匹飼っていたとすると、45÷(1.5x15)=2日間、28.9÷1.5=20日間
、つまり、計算では2日間間隔で、餌投与マシーンに餌を満タンしてこれをバンバカ与えると、20日間で10cmのカネヒラが15cmになっちゃうという計算です。良いじゃないですか!! 
ところが色々簡単ではない事が出てくる訳です。続きは次回へ、
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