水槽の微生物 その3
微生物の大きさを整理してみました。右上表です。
目に見えない微生物ですから、1mm(=1000μm:ミクロン)以下のミクロの世界です。
一番大きな悪玉が白点病です。イクチオフチリウスというラテン歌手みたいな名前の原生生物(繊毛虫)で、0.5〜1.0mmくらいの大きさらしいです。水カビの原因もサブロレグニアという競争馬の名前みたいな奴で、0.1mm以下の菌体だそうです。我々が不幸にしてこれらの連中を見るときは、魚体に表面に白い粒粒や綿被りの凝集体で観察されます。興味深いのは、色素剤でこれらの白い凝集体が青く染まる事です。グラム陽性のパターンです。実際これらの原生生物やカビ達は、色素剤での治療法がポピュラーになります。
反対に、最も小さい菌体はウイルスです。細菌に宿る連中です。白点病菌体の1/10000、細菌の1/100と小っさい連中です。風邪菌やSARSやHIVやコイヘルペスなど、とても悪い悪い悪玉菌が多いカテゴリーです。ワクチン開発できると特効薬になりますが、変異が多いので治療薬は殆ど無い状態です。風邪もそうですが、菌体大量出現x過密x抵抗力低下x急激な温度変化x等々で発生する、云わば文明病です。先週から悪さで暴れまくっているノロウイルスもこの仲間です。
白点病にも細菌にもウイルスにも殺菌効果があるのが紫外線照射です。人間には照射できません。魚にも直接照射できないので、水槽飼育水に照射して環境水を綺麗にする工夫です。微生物管理が微妙で難しい海水魚飼育では良く使われる工夫です。紫外線の中でも更に短波長のUVCが有効ですが、あまりに短波長ゆえガラス等を透過する際に減衰してしまうので石英ガラスなどで包んだ殺菌灯が高価な値段で販売されています。我孫子は、5〜6年前に東芝GL15を上部フィルターの上に、透明プラカバーをクリ抜いて直接設置する工夫をオリジナル製作して2〜3年程度使用していました。昔はHP紹介もしていましたが。。。 興味ある方は東芝xGL15でgoogleすると色々出てきます。GL5でもGL10でもナショナルでも本質的には同じです。
病気は駆逐できるのですが、ろ過菌も緑藻も珪藻も死んでしまうので一長一短です。GL15は3000mw(3w)なので、ランプ半面照射でも、1500mwなので1/100秒程度の瞬間照射で99.9%殺菌効果があるそうなので、一日に数十分から数時間照射でも効果絶大になります。ランプ寿命は公称4000時間なので、1時間/日にタイマーセットすると半永久的に使えます。緊急対応には便利です。今年の冬場は復活しています。(^^;.

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